Rider Kazuyuki Yamada Official WebSite

   





◆プロローグ                 ピーポーくん
通常は運転免許証を取得するには、誰もが自動車教習所に通って取得する方法を思いつくだろう。自分も普通自動車免許証および普通自動二輪車免許証は教習所通いで取得した。            
しかし、大型二輪もこのまま教習所に行くと段階式で簡単に取得してしまうに違わないだろうか?      
そこで国家公安委員会が実施する運転免許試験場での直接実技試験受験の方法があった。 この国家試験は司法試験より合格率が低く狭き門と言われており、都道府県の試験場のなかでも地方警察管轄にくらべ警視庁管轄の試験場である鮫洲試験場は全国最難関であるとの評判がある。      
自分はあえてハイレベルな道を選び、自己レベルの再確認と普通二輪車を8年間操ってきた集大成をここにぶつけてやろうという挑戦への気持ちが湧いてきたのであった。
準備    
東京都公安委員会 警視庁 鮫洲試験場のコース図を入手。    

             
Aコース:スラローム→S字→クランプ→波状路→一本橋→外周→法規走行→坂道発進→急制動→踏み切り通過                               Bコース:波状路→スラローム→クランプ→S字→一本橋→外周→法規走行→坂道発進→急制動→踏み切り通過            
                  
課題走行  
直線狭路コースの走行
狭路台(一本橋走行)は着座姿勢をとり10秒以上で走行
連続進路転換コースの走行
スラロームは、障害物の間を順にS字状に7秒以内で走行
波状路コースの走行
立姿勢をとり、5秒以上かけて走行
指定速度からの急制動
毎時40kmの速度で指定した位置で急ブレーキをかけ、車輪をロックさせず制動区間内で安定した停止をする
                                    
練習
警視庁主催の交通安全二輪車実技講習に参加。 
                    
◆試験本番
  • 2004年3月受験 受験車両:CB750 受験コース:A
  • 結果:不合格(急制動、発進不良)     
  • 初めての一発試験の挑戦となるが、試験場には厳しい試験官の視線が突き刺し、独特の緊張感が漂っていた。 受験車両はCB750でかつて実技講習会での練習で乗ったことがあるのでラッキーと思った。しかし実際乗ってみると大型ならではの馬力、アクセル、クラッチワークなどバイク特有のクセに慣れるのに必死だった。ガッチガチの緊張感のなか試験開始。なんとか課題走行をこなして安心したところ、クラッチワークをいつも乗っているバイクの要領で操作してしまい、若干の急発進。やばっ!と思ったがエンストギリギリで次の走行へ。最後に近づき急制動を試みるが後輪ロックぎみでタイヤを鳴らしてしまい試験中止。試験官の忠告によると「うまいね〜、課題走行は問題なく、バイクには乗れているのでもう1回受けて!最後タイヤ鳴っちゃったね〜」と指摘をしてくれた。初回受験にしては納得の不合格でまずまずの出足となった。                           
                   
  • 2004年4月受験 受験車両:GSX750 受験コース:B
  • 結果:不合格(急制動)         
  • 2回目の受験で雰囲気と要領もつかんだのでリラックスできると思いきや、やはり刻一刻と独特の緊張感が迫ってきた。これはひとつのミスで即試験中止につながるのと国家公安委員会という重圧が全身に圧し掛かっているような気がした。気を取り直していざ試験へと向かったが受験車両がGSX750と前回とは異なり、戸惑いを隠せなかった。乗ってみるとやはり独自のクセがあり、はっきり言ってフィーリングが自分には合っていなかった。そんな逆行の中試験開始。得意の課題走行をクリヤし、外周の走りでようやくバイクのクセをつかみ始めた。そして問題の急制動に向かい停止位置でタイヤロックがなくピタリと止まった・・・がっ!その瞬間試験中止の宣告。納得がいかないまま試験官の忠告を聞くと「う〜ん、おしいねぇ、急制動の速度は43km/hだったけどブレーキ開始が早かったね〜」との指摘であと一歩のところで悔しさだけが残る結果だった。下図に示すとおり自分ではブレーキ開始地点でブレーキしたつもりだがおそらく速度計測器のパイロンでブレーキを開始したのかもしれない。
    
  • 2004年9月受験 受験車両:GSX750 受験コース:A
  • 結果:不合格(急制動、加速不足)
  • 一発試験は教習所と違い平日のみ試験実施となっており、社会人としては会社を休暇しなければならないので非常につらいところだ。そして忙しい日々が続きなかなか休めなかったが、ようやく休みが取れたのも前回受験してから約5ヶ月のブランクが空いてしまっていた。不安だらけのなか3回目の受験へ。3度目の正直と言い聞かせ、「最高でも合格、最低でも合格」と自分にプレッシャーを与えていた。それが裏目に出たせいか、試験開始からバイクを乗ってもバイクが宙に浮いたような感じで感覚がつかめず、得意の課題走行もリズムがつかめずギクシャクした走行となってしまった。そして気持ち引き気味で走りながらまたまた問題の急制動だったが停止位置で停止したものの後輪ロックでタイヤを鳴らしてしまい試験中止の宣告。試験官の忠告は「おとなしい走行をしてたね〜、君は普通二輪持ってんだからさ〜もっとメリハリをつけて走ったほうがいいよ」と言われ、側から見てもショッパイ走りだったみたいだ。まったくの上達のなさと試験に臨むモチベーションを保てなかった自分にショックは隠しきれなかった。
    •               
  • 2004年11月受験 受験車両:CB750 受験コース:B
  • 結果:合 格
  • 一発試験の挑戦から早半年と2ヶ月が過ぎ、今年受験できるのもこの日だけとなってしまった。もうここまできたら開き直るしかないというか、この緊張感を逆手に楽しんでしまおうと胆に銘じた。試験前にイメトレをしながら順番を待ち他の受験者の様子は気にしないでひたすら精神集中を心がけ体をほぐした。そしていよいよ順番がきた時は思いきって走ることを心がけた。この日の受験車両はCB750でフィーリングも良い。課題走行もリズミカルかつバランスの取れた走りで何もかもが順調であった。外周、法規走行、坂道発進も無駄ひとつとない走りで車線変更も思いきって加速しながら寄せて走った。そしてクライマックスの急制動へ。過去の3回ともこの場所で試験中止を降されているが、恐れずも一気に3速へシフトアップし加速。ブレーキパイロンを横切ったのを確信して急ブレーキ!!停止線1メートル手前でタイヤロックせずにピタリと停止し、中止宣告がないため後方確認後再発進。踏み切りをローギヤで通過後、発着地点へ。バイクから降車し、試験官の忠告を待つことに…。「急制動は46km/h出てた。完全にバイクがパイロンを抜けてからブレーキかけてたけどよくこの速度で止まれたなっ、合格!!」それを聞いた瞬間全身の緊張感が解き放たれ思わず感極まった。そして帰り際にも「あれだけ止まれれば上出来だ、よかったー!!」と年配の試験官も絶賛してくれた。自分から見た合格の要因はやはり開き直って最初から思い切って走れたのでいつもの走りをそのまま表現できたのではないか。終わってみれば全神経を集中し、ほぼノーミスで完璧に近い出来だったと自賛している。この日の受験者は全体で約15人ほどだったが合格したのは自分ただひとりだった。その日のうちに運転免許証が交付され、念願の二輪最高峰ライセンスを手に入れた。
                     
コスト

教習料金
(普通二輪免許所持)
技能試験 交付申請 合計
教習所の場合 約13万円(技能12h) 1,750円 13万1,750円
一発試験の場合 4,400円(×回数) 1,750円 6,150円
※一発試験4回受験した場合:4,400円×4回+1,750円=19,350円となる
所感
いま振り返ると一発試験にくらべ場合によっては教習所で取得した方が短期間で取得できただろうが自分にはそれ以上の価値を収穫した。一発勝負の厳しさを体感し、この試験場での受験はこれで最初で最後になると思うが運がよければ1回で合格することも可能だったかもしれない。正直言って一発に挑戦する前はかなりの自身があった。しかしライディングテクニックだけでは乗り切れず、法規走行、安全確認、メンタル面、そして運とトータル的なバランスが必要不可欠であることを学んだ。結果的には4回で合格したことになるがこれまでの期間は自分で上達しようと努力できたし、バイクの操る難しさ奥深さを改めて再認識することができたのでとても有意義な時間だった。苦難を乗り越え最後まで妥協せずにひとつの目標に進み成し遂げたことは自分の人生にとっても、そしてライダーとしても大きな自身につながった。遠回りとなった大型自動二輪一発試験への道だが現在普通二輪免許を取得している人は是非一発試験に挑戦し、国が直接認可したライダーとなってほしい。これからのバイク人生はこのことを誇りに思うが達成感に浸っている時間はない。常にライダーの模範となるような走行を心がけ生涯走り続けたい…。

 
ピーポーパパ ピーポーママ ピーポー子 ピーポー太 ピーポーじぃ ピーポーばぁ

                       
 ピーポーファミリー

道


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